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『果振台』の原理

果実の硬度によって熟度がわかることが知られていますが、これまでは切ってみたり、棒を押し込んでみたりと、果実を傷つけなければ硬さを測ることはできませんでした。

 

そこで果実に微弱な振動を与えて、非破壊で硬度を測定する機器を開発しました。当初は果実の点対称の位置2点に「加振器」と「受振器」を接触させて共鳴振動を測っていましたが、測定時に両手がふさがってしまうなど不便さを感じることも多いものでした。これを改良したのが『果振台』です(特許6970328号)。

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改良のために「加振器」と「受振器」を一体化したセンサを開発しました。これによって、果実を測定台に置くだけで測定できるようになりました。新しいセンサは、工業系で「インピーダンスヘッド」として知られていた原理を応用したものです。加振運動をモニターするセンサとサンプルの運動を検出するセンサを直列で取り付けました。これにより、下からの加振運動とサンプルの運動との間に共振状態で位相の差が生まれ、この位相の差から共振周波数が確定します。

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これは『果振台』でスーパーボールを測定したグラフです。縦軸は位相角度、横軸は周波数(Hz)です。位相のグラフ上で出現するピークの周波数を読むと、共振周波数になります。左から第2、第3、第4、第5の共振ピークの位置を示します。

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